遥か昔、人と妖精達は共に助け合って暮らしていた。
しかし、人間は争い事を繰り返し、周辺の民を支配し始めるようになる。
ここ、ヨーロッパでもいくつかもの巨大国家が生まれ、妖精達は住処を追われていった。
なかには、ゴブリン族のように世界征服の野望に燃える種族もあったが、 大部分は争いを好まず、山奥へと追いやられていった。
だが人間達は、妖精達から奪った領土だけでは満足できず、互いに勢力拡張をめざして、 各地での小競り合いを繰り返していた。



そんなある日、ローマの海岸に異国の若者が流れ着いた。
幸い一命は取りとめたものの、過去の記憶を失ってしまっていた。
奴隷となった彼は、元老院のディランに引き取られ、剣闘士として鍛え上げられる。
「アレフ」と名づけられた彼は、連戦連勝を繰り返し、やがて市民権を得ることとなった。



おりしも市民権獲得の祝いの日、西の強国フランクによる侵略の報が届く。
フランクを迎え討つべく準備を急ぐローマ。
だが、他に敵国があったのでは、戦いを維持するのは難しい。
直ちに議会が召集され、背後の敵、アレクサンドリアと和睦することになった。
元老院筆頭のネロは、使者としてアレフを推薦する。
反対する者はなく、アレフの派遣が可決される。
しかし、ネロの本当の狙いは、彼を追い払う事にあったのだった……